このシンポジウムでは、高分子材料のナノスケール力学物性の理解、またそこで得た知見に基づく革新的高分子材料の創製を目指して、ナノレオロジーやナノトライボロジーといった分野を含む高分子ナノメカニクスについての議論を行う。高分子の物性を制御するためには、分子構造やミクロ構造とマクロ物性の相関を解明することが必要不可欠である。例えばネットワークポリマーにおいては架橋密度や構成分子のダイナミクスが材料の力学強度を決定づける重要な因子であることはわかっているが、その詳細は未だ明らかにされていない。このシンポジウムでは、分子デザイン、最新の測定技術、またシミュレーションなどを組み合わせ、力学的刺激に対して高分子の内部構造がどのように応答するのかを明らかにするような研究を多く集める。
また、異なる科学分野間での協力体制の構築と研究者間の共同研究のへとつながることを期待して、咀嚼、嚥下、消化挙動を含めた食品と食品素材の物性に関する研究も歓迎する。