ここでは、MRM Forum 2020(公開討論・シンポジウムなど)またはMRM2021(2021年12月開催)シンポジウムのコンテンツをより深く理解するため、次のテーマの講義を行います。
TU-1 |
放射光、中性子、ミュオンの応用研究の実際と利用について
12月8日(火) 9:00~10:30 |
TU-2 |
物質・材料研究の課題解決へつながるマテリアル・インフォマティクスの基礎と応用
12月8日(火) 13:00~14:30
座長:
常行 真司東京大学
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TU-3 |
計測データと情報科学を融合した材料開発の基盤構築と応用事例
12月8日(火) 15:30~17:00
座長:
常行 真司東京大学
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TU-4 |
ペロブスカイト太陽電池の高電圧・高効率化とドーパント不要の正孔輸送材料を使った耐久性改善について
12月8日(火) 18:00~19:30
座長:
早瀬 修二電通大学
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TU-5 |
鉄鋼におけるマルテンサイト活用の歴史〜超々ハイテン時代へ〜
12月9日(水) 9:00~10:30
座長:
田中 功京都大学
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TU-6 |
持続可能な社会におけるプラスチック
12月9日(水) 13:00~14:30 |
TU-7 |
触媒技術が可能にする新たな炭素資源活用
12月9日(水) 13:00~14:30
座長:
阿部 英樹物質・材料研究機構(NIMS)
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TU-8 |
機能性材料研究のための蛍光X線ホログラフィ技術
12月9日(水) 15:30~17:00
座長:
米田 安宏日本原子力研究開発機構
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TUS-1 |
食品のレオロジー入門
12月8日(火) 09:00~10:00 |
TUS-2 |
多相複雑系としての食品レオロジー
12月8日(火) 10:00~11:00
座長:
西成 勝好湖北工業大学
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TUS-3 |
ソフトマテリアルの局所領域におけるレオロジー解析
12月8日(火) 11:00~12:00
座長:
武政 誠東京電機大学
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TUS-4 |
食品のNMRとMRI
12月9日(水) 09:00~10:00
座長:
長野 隆男石川県立大学
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TUS-5 |
粒子追跡法による生体高分子の構造形成のその場観察
12月9日(水) 10:00~11:00 |
TUS-6 |
マイクロからナノレベルのレオロジー・トライボロジー
12月9日(水) 11:00~12:00 |
TUS-7 | 水と材料の織りなす構造と機能 ~表面選択的振動分光法の基礎と応用~ 12月9日(水) 9:00~10:30 |
TUS-8 |
水と材料の織りなす構造と機能 ~濡れ・流れからマイクロデバイスまで~
12月9日(水) 10:30~12:00 |
木下 豊彦
(公財)高輝度光科学研究センター
https://researchmap.jp/read0067879
東京大学物性研究所附属軌道放射物性研究施設助手、助教授。
分子科学研究所極端紫外光実験施設助教授などを経て2005年より現職。
国内には数多くの放射光施設が稼働し、今年度から東北であらたな放射光施設の建設も始まった。現在、国内で創出される自然科学系の論文のうち、2%あまりが放射光に関わる研究成果である。このように、現代の自然科学の中で大きな役割を果たしている放射光であるが、産業界での利用も大きく、大型放射光施設SPring-8では約20%のビームタイムが産業界に利用されている。 また、同じく大型施設である、J-PARCでは、中性子、ミュオンによる物質材料科学に関連する実験が進んでいる。中性子、ミュオンとも物質材料科学の研究に有益であることが知られている。特に中性子では水素を含む材料の評価や、磁性材料の評価に強みを発揮する。そのためJ-PARCでも産業利用は全課題数の20%以上を占めるが、放射光に比べるとまだまだ利用は限定的である。今後放射光との連携利用により、さらなる利用の拡大が期待される。 本チュートリアルでは、企業の方、あるいは放射光、中性子、ミュオンなどの量子ビームになじみの少ない学生の皆様を対象にこれらの利用について紹介したい。 1. 放射光の利用の概要 放射光の発生、ビームライン、装置、実験手法 2. 応用事例の紹介(分光、イメージング、構造解析、顕微観察、時間分解観察、in situ、オペランド測定) 実験室光源で得られるデータとの違い、どのような情報が得られるかなど 3. SPring-8の課題申請 SPring-8の課題申請を実際に行うにあたっての説明 4. 中性子、ミュオンの利用の概要 中性子、ミュオンビームの発生、装置、実験手法 5. 応用事例の紹介 6. J-PARCの課題申請 7. 施設連携課題の事例と申請 8. Q&A 本講演のあと、少しでも新たなユーザーさんが量子ビームを利用してくださるようになることを希望します。
12月8日(火) 13:00~14:30
安藤 康伸
産業技術総合研究所
2012年 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻 博士後期課程 修了。博士(理学)。 同年 産業技術総合研究所 産総研特別研究員 2013年 東京大学大学院 工学系研究科マテリアル工学専攻 助教 2016年 産業技術総合研究所 研究員を経て2018年より同研究所 主任研究員
本講義では物質・材料研究の課題解決のための機械学習応用について予測・分類・データ解析・データ活用をキーワードに、基礎的な内容からEMアルゴリズムやモンテカルロ法、ベイズ最適化を用いた実例まで解説する。
矢野 正雄
トヨタ自動車株式会社 先端材料技術部
2008年 大阪大学大学院 基礎工学研究科 博士後期課程修了 2008年 トヨタ自動車株式会社 入社 2008~2017年 永久磁石材料の開発、分析 2017~ MI関する基盤技術開発に従事
板倉 智也
トヨタ自動車株式会社 先端材料技術部
2006年 東北大学大学院 工学研究科 バイオ工学専攻 修士課程修了 2006年 株式会社デンソー 入社 2017年 博士(工学) 京都大学 2019年 トヨタ自動車株式会社にて、マテリアルズインフォマティクスの基盤技術開発に従事
1. MI実現のための基盤構築 情報科学を活用した材料開発(MI)には計測スペクトルや画像から適切な特徴量を抽出し蓄積することが必要である。今回、計測データの特徴量化とデータ蓄積の基盤を構築したのでその概要を事例とともに紹介する。 2. 計測データと情報科学を融合した材料開発 材料計測データに含まれる多くの情報の中から、開発の糸口を効率的に抽出するために、情報科学の活用に取り組んでいる。本講演では、計測データへ情報科学を適用した材料開発アプローチと事例について紹介する。
12月8日(火) 18:00~19:30
宮坂 力
桐蔭横浜大学・医用工学部
1981年東京大学大学院工学系研究科修了(工学博士)。富士写真フイルム株式会社足柄研究所主任研究員を経て2001年より桐蔭横浜大学大学院工学研究科教授。2006年~2009年に大学院工学研究科長。2005年~2010年に東京大学大学院総合文化研究科教授を兼務。2004年にペクセル・テクノロジーズ株式会社を設立、代表取締役。2017年より東京大学先端科学技術研究センター・フェロー、2020年より早稲田大学大学院先進理工学研究科客員教授(兼務)。
ハロゲン化鉛ハイブリッドペロブスカイト太陽電池の光電変換特性を高めるために過去8年間に多大な努力が払われてきた[1]。異なるカチオンとアニオンを混合し、またサイズの大きい有機基をもつ2D構造のペロブスカイトを混合することによる組成エンジニアリングによって、熱や湿気に対するペロブスカイトの安定性が向上してきたが、メチルアンモニウムなどの有機カチオンと、正孔輸送材料(HTM)に添加する拡散性イオンドーパントの使用は、高温(> 120度)でのペロブスカイトの安定性を大きく減じる原因となる。この点で、耐熱性に優れる全無機ペロブスカイト材料とドーパント無添加のHTMの使用が強く望まる。そこで、われわれはペロブスカイトCsPbX3(X=I, Br)とドーパント無添加HTMを用いて光電変換特性の向上を検討してきた。バンドギャップが1.9eVほどのCsPbI2Brを用い、ペロブスカイト層と電荷輸送層の界面の組成の改質を行う方法によって、セルの開回路電圧が1.4V以上まで高まる効果が得られ[2]、このことから界面における欠陥を減じて再結合等のエネルギー損失を無くすことが高電圧・高効率化に極めて重要なことがわかる。オール無機組成のペロブスカイトは、さらに鉛を用いない組成に改良していくことも、環境安全上から求められている[3]。この目的で、Bi系のペロブスカイトの光電変換特性を高める検討も進めている。講演では、以上の取り組みを解説するとともにペロブスカイト光電変換素子の開発の将来展望を述べる。 REFERENCES 1. A. K. Jena, A.,Kulkarni, T. Miyasaka, Chem. Rev. 2019, 119, 3036–3103. 2. Z. Guo, A. K. Jena, I. Takei, G. M. Kim, M. A. Kamarudin, Y. Sanehira, A. Ishii, Y. Numata, S. Hayase, and T. Miyasaka, J. Am. Chem. Soc., 2020, 142, 9725-9734. 3. T. Miyasaka, A. Kulkarni, G. M. Kim , S. Oez, and A. K. Jena, Adv. Energy Mater., 2019, 1902500.
12月9日(水) 09:00~10:30
津﨑 兼彰
国立研究開発法人物質・材料研究機構
構造材料研究拠点
鉄鋼材料グループ
https://www.nims.go.jp/research/group/steel-research/
1983年 京都大学大学院工学研究科博士課程金属加工学専攻修了(工学博士) 1985年 京都大学工学部金属加工学科助手 1991年 京都大学工学部金属加工学科助教授 1997年 科学技術庁金属材料技術研究所ユニットリーダー 2006年 独立行政法人物質・材料研究機構新構造材料センター長 2013年 九州大学大学院工学研究院機械工学部門教授 2020年 九州大学名誉教授 同年 国立研究開発法人物質・材料研究機構NIMS招聘研究員
20世紀後半の世界の粗鋼生産量は8億トンでした。それが2019年度には18億トンを超えています。この生産量拡大の20年間、多くの新しい鉄鋼材料と利用技術が開発されてきました。その一つが自動車用の高強度鋼板(ハイテン)です。現在1.5GPa級ハイテンがすでに実用化されており、2GPa級の超々ハイテンの時代がすぐそこに迫っています。衝突安全性と低燃費の両立にとってハイテンは自動車に不可欠な材料です。その技術開発の重要キーワードが「マルテンサイト」です。無拡散せん断型固相相変態(マルテンサイト変態)の生成物をマルテンサイトと呼び、鉄鋼の高強度化になくてはならない準安定相です。本講演では、そのマルテンサイト活用の歴史を、日本刀、航空機ランディングギア、そして自動車を例にとって概観し、鉄鋼研究とマルテンサイト変態の面白さを語るとともに、新時代に求められる鉄鋼研究への一提言を行います。 - 鉄鋼の生産量の変化~粗鋼生産量20億トン時代へ~ - 鉄の構造相変化とマルテンサイト~鉄鋼の多様性の源~ - 日本刀とマルテンサイト~温度と形が大切~ - 航空機ランディングギアとマルテンサイト~ナノテクノロジーが鍵~ - 自動車とハイテンとマルテンサイト~安全と環境の両立~ - 新時代に求められる鉄鋼研究~マルテンサイト変態の未解決課題~
吉岡 敏明
東北大学大学院環境科学研究科 教授
東北大学大学院環境科学研究科教授(2005)、同研究科長(2015-2018)。資源循環にかかわる各委員会の委員やJournal of Material Cycle and Waste ManagementのEICや務めている。2018年より廃棄物資源循環学会会長他。
高原 淳
九州大学先導物質化学研究所 教授
九州大学先導物質化学研究所教授(2004)、同所長(2012-2016)。2014-2016 高分子学会会長、2017-2019 日本MRS会長、2016- Senior Editor of Langmuir.
1. 持続可能なプラスチックケミカルリサイクルの期待と可能性 講師:吉岡 敏明(東北大学大学院環境科学研究科 教授) プラスチックのケミカルリサイクルの観点から、既存の様々な化学プロセスへの展開を進めるため、湿式および乾式プロセスによる脱ハロゲン化やプラスチックの基礎化学原料への変換、金属とプラスチックの両方を同時に回収するプロセスの技術開発を行っている。 2. マイクロプラスチックの科学 講師:高原 淳(九州大学先導物質化学研究所 教授) 高分子の使用量が増えるにつれ、環境に廃棄物が誤って流出して生成したマイクロプラスチック(MP)が社会的な問題になっている。本稿では海洋で採取されたMPの特性解析、その結果に基づくMP生成のモデル実験、さらには今後必要不可欠となるMPの基礎研究について解説する。
12月9日(水) 13:00~14:30
上田 渉
神奈川大学 工学部物質生命化学科 教授
1981年東京工業大学総合理工学研究科後期博士課程修了 工学博士 1981年東京工業大学資源科学研究所 助手 1985年文部省在外研究員(ケンブリッジ大学、英国王立研究所) 2001年北海道大学触媒化学研究センター 教授 2012年触媒学会会長 2014年石油学会会長 2015年JST-CREST研究総括
いま世界のエネルギー生産は脱炭素化に向かおうとしている。その長期的な潮流の中で、これから様々な炭素資源をどのように活用し、生活に必要な物質群を生産していくべきか。エネルギー生産と物質生産の関連から紐解く。そして鍵となる触媒技術が向かおうとしている先を捉える。
12月9日(水) 15:30~17:00
材料に機能を発現させるためには、多くの場合、母材に異種元素をドープさせる必要があるが、その状態解析は簡単ではない。蛍光X線ホログラフィーは、特定元素周辺の原子配列を3次元像として再生できる技術で、ドーパントの構造解析に有効な手法である。最近では、半導体、合金、超伝導材料、磁性材料などの広い物質群に応用され、材料開発に関する有用な知見を多く提供してきた。 本チュートリアルでは、蛍光X線ホログラフィーの基礎から応用まで分かりやすく紹介する。 1. 蛍光X線ホログラフィーの原理 2. 放射光施設と蛍光X線ホログラフィー装置 3. 20年来の技術の発展 4. 最近の応用事例 本講演のあと、新たな共同研究が展開されることを望んでいます。
四方 俊幸
東京農工大学 農学研究院
http://web.tuat.ac.jp/~shikata/
(学歴) 昭和56年 大阪大学理学部高分子学科卒業 昭和58年 大阪大学大学院理学研究科高分子学専攻博士前期課程修了 昭和60年 大阪大学大学院理学研究科高分子学専攻博士後期課程中退 平成元年 大阪大学理学博士取得 (職歴) 昭和60年 新潟薬科大学薬学部助手 平成元年 大阪大学理学部助手 平成3年 カリフォルニア大学・サンタバーバラ校博士研究員(2年間) 平成8年 大阪大学大学院理学研究科助教授 平成19年 大阪大学大学院理学研究科准教授(職階名称換え) 平成24年 東京農工大学大学院農学研究院教授
松川 真吾
東京海洋大学 学術研究院
1984年 北海道大学工学部卒業 1984年 関西ペイント株式会社合成樹脂開発部 1994年 筑波大学大学院環境科学研究科修了 1997年 東京工業大学大学院理工学研究科修了 1997年 東京水産大学食品生産学科助手。 2003年 東京海洋大学海洋科学部助教授。 2016年 同大学学術研究院 食品生産科学部門教授
食品をはじめ様々な物質のレオロジー挙動を理解するための必要最低限の知識を手に入れるために,線形粘弾性理論の入門的な部分を分かり易く解説する。まず,物質の力学的性質を大雑把に分類すると,固体的な性質である弾性と液体的な性質である粘性の二つが有ることを理解する。次に,粘弾性を示す物質では変形という刺激を受けてからの時間経過に伴って,弾性挙動から粘性挙動へ(或いはその逆に)変化を起こすことを学ぶ。その弾性的から粘性的への力学的性質の変化に必要な時間が,物質の緩和時間(逆の変化の場合は,遅延時間)と呼ばれることを解説する。
12月8日(火) 10:00~11:00
金田 勇
酪農学園大学 農食環境学群 食と健康学類
北海道大学理学部高分子学科卒(高分子物理化学)、東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了(生命科学)。帝人生物化学研究所および資生堂リサーチセンターを経て2007年より酪農学園大学教授(食品物性学研究室)。専門は食品物性学(主にレオロジー)。
12月8日(火) 11:00~12:00
春藤 淳臣
九州大学大学院 統合新領域学府
2006年 熊本大学大学院自然科学研究科 博士後期課程修了 博士(学術)。物質・材料研究機構 日本学術振興会特別研究員、オックスフォード大学 博士研究員、九州大学大学院工学研究院 特任助教、同 助教を経て,2015年 九州大学大学院統合新領域学府 准教授。
松川 真吾
東京海洋大学 学術研究院
1984年 北海道大学工学部卒業 1984年 関西ペイント株式会社合成樹脂開発部 1994年 筑波大学大学院環境科学研究科修了 1997年 東京工業大学大学院理工学研究科修了 1997年 東京水産大学食品生産学科助手。 2003年 東京海洋大学海洋科学部助教授。 2016年 同大学学術研究院 食品生産科学部門教授
ソフトマテリアルの階層的なダイナミックスを理解するためには、様々な時空間スケールにおけるレオロジー測定も必要です。本講では、その解析法を概説し、濃度揺らぎや不均一性へ応用した例について紹介します。
松川 真吾
東京海洋大学 学術研究院
1984年 北海道大学工学部卒業 1984年 関西ペイント株式会社合成樹脂開発部 1994年 筑波大学大学院環境科学研究科修了 1997年 東京工業大学大学院理工学研究科修了 1997年 東京水産大学食品生産学科助手。 2003年 東京海洋大学海洋科学部助教授。 2016年 同大学学術研究院 食品生産科学部門教授
食品のマクロなレオロジー挙動はミクロな構造と物性を反映しており、さらにこれらは分子レベルでの凝集構造や分子運動性に支配されおり、これらを理解することがマクロな食品物性をコントロールする上で重要となってくる。本講演では、分子運動性の評価のために有用なNMR法について、食品物性評価への実例を交えながら、分かり易く解説する。特に、NMR緩和時間測定と拡散係数測定、固体NMR測定による評価について、多糖ゲル、エマルジョン、パンやクラッカーなどでの測定例を紹介する。
12月9日(水) 10:00~11:00
槇 靖幸
九州大学 理学研究院
平成17年3月 北海道大学大学院理学研究科 生物科学専攻(高分子) 博士後期課程修了 博士(理学) 平成17年4月 北海道大学 学術研究員 平成17年5月 群馬大学工学部 生物化学工学科 助手 平成19年4月 群馬大学大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 助教 平成25年4月 群馬大学理工学研究院 分子科学部門 助教 平成26年4月 群馬大学大学院理工学府 分子科学部門 助教 平成29年8月 九州大学大学院理学研究院 化学部門 准教授
金田 勇
酪農学園大学 農食環境学群 食と健康学類
北海道大学理学部高分子学科卒(高分子物理化学)、東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了(生命科学)。帝人生物化学研究所および資生堂リサーチセンターを経て2007年より酪農学園大学教授(食品物性学研究室)。専門は食品物性学(主にレオロジー)。
粒子追跡法は、柔らかい物質の力学物性を、試料に添加した微粒子の運動の解析から評価する手法である。生体高分子溶液のゲル化や相分離による構造形成を、粒子追跡法によるその場観察で調べた事例を紹介する。
12月9日(水) 11:00~12:00
中嶋 健
東京工業大学 物質理工学院
1997年 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程修了 1997年 理化学研究所 基礎科学特別研究員及びフロンティア研究員 2003年 東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻助教 2008年 東北大学原子分子材料科学高等研究機構准教授 2015年 東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻教授 2016年 東京工業大学物質理工学院応用化学系教授(組織改編) 2019年 東京大学大学院工学系研究科教授(兼務)
松川 真吾
東京海洋大学 学術研究院
1984年 北海道大学工学部卒業 1984年 関西ペイント株式会社合成樹脂開発部 1994年 筑波大学大学院環境科学研究科修了 1997年 東京工業大学大学院理工学研究科修了 1997年 東京水産大学食品生産学科助手。 2003年 東京海洋大学海洋科学部助教授。 2016年 同大学学術研究院 食品生産科学部門教授
ソフトマテリアル の微小スケールのレオロジー、トライボロジーを実現するために原子間力顕微鏡を活用できます。その原理とゴムやプラスチック、ゲルなどに応用した事例を紹介します。ナノからマイクロメートルスケールでは材料の力学物性に本質的な不均一性が存在すると考えられます。その不均一を可視化し、如何にしてマクロスケールの物性と繋ぐかということをキーワードに解説を行います。
12月9日(水) 09:00~10:30
由井 宏治
東京理科大学大学院理学研究科化学専攻 教授
1996年東京大学工学部応用化学科卒業。東京大学大学院新領域創成科学研究科助手、科学技術振興機構研究員を経て、2013年より東京理科大学理学部化学科教授。博士(工学)。2016年より同大学総合研究院ウォーターフロンティアサイエンス&テクノロジー研究センター長併任。専門は物理化学、分析化学、コロイド界面化学。著作「高分子赤外・ラマン分光法」(共著)(講談社)、「化学熱力学入門」(オーム社)他。
我々の日常生活の中で活躍する機能性材料の表面や、各種デバイスに用いられる物質の表面は、水中で使われる場合はもちろんのこと、大気中でも水蒸気の吸着など、常に「水」に暴露されています。物質・材料表面の水は、その吸着状態や量によって、表面の物性や材料の機能を大きく左右します。しかし、これらの水を測る際は、真空を用いることができず、計測・分析することが難しいのが一般的です。本チュートリアルでは、大気中でも用いることができ、かつ高感度である反射型の赤外吸収分光法を主に、これらの物質・材料表面における水の存在状態を高感度に測定する方法を紹介します。前半は、微粒子や薄膜材料を測る際の赤外吸収分光法に関する実践的な注意点をお伝えします。後半は、全反射吸収法、偏光変調法(金属・非金属)などの原理と具体的な応用事例を交えて紹介します。 ・赤外吸収分光法基礎_大気中・微粒子・薄膜材料を測る際の注意点 ・全反射赤外吸収分光法の基礎と応用例(ペースト状材料) ・偏光変調反射吸収分光法の基礎と応用例(金属表面における水を含む脂質膜) ・偏光変調外部反射吸収分光法の基礎と応用例(半導体表面における表面水酸基や水) など
12月9日(水) 10:30~12:00
元祐 昌廣
東京理科大学工学研究科機械工学専攻 准教授
2001年慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科卒業、2006年慶應義塾大学理工学研究科総合デザイン工学専攻修了。博士(工学)。東京理科大学工学部機械工学科助手,助教,講師を経て,2015年より同准教授。2018年より同大学総合研究院ウォーターフロンティアサイエンス&テクノロジー研究副センター長併任。専門はマイクロ・ナノスケールの熱流体工学。光や熱、電気を用いた微小物質マニピュレーションや高度分析用マイクロデバイスの開発に関する研究に従事。
由井 宏治
東京理科大学大学院理学研究科化学専攻 教授
1996年東京大学工学部応用化学科卒業。東京大学大学院新領域創成科学研究科助手、科学技術振興機構研究員を経て、2013年より東京理科大学理学部化学科教授。博士(工学)。2016年より同大学総合研究院ウォーターフロンティアサイエンス&テクノロジー研究センター長併任。専門は物理化学、分析化学、コロイド界面化学。著作「高分子赤外・ラマン分光法」(共著)(講談社)、「化学熱力学入門」(オーム社)他。
水などの液体と材料との界面には様々な「相性」があり、その相性を把握することは種々の機器やシステム、デバイスなどの性能にとって重要となります。本チュートリアルでは、この固体と水との親和性である濡れ性を評価する手法のノウハウと流れの計測手法について、計測原理から計測にあたっての注意点やコツなどを、実例を多数交えて紹介します。そして、界面の制御や微量液体の分析を行うためのマイクロデバイスについて、そのコンセプトと研究例を紹介します。なお、各説明では、最新の研究事例と研究トレンドを紹介します。 <内容の概要> ・材料と水の接点としての界面の重要性 ・濡れ性の評価方法の種類とコツ、ノウハウ ・流れの計測法と応用例 ・マイクロ流体デバイスによる水分析の研究例