MRM Forum 2020

特別セミナー:「マテリアルの魅力~物質ワクワクし、役に立つ物質と材料の研究~」Special Seminar

日時

第1部:12月8日(火) 午後6時から8時 <Zoom配信>
第2部:12月9日(水) 午後6時から8時 <本部会場にての討論をリアル配信>

企画者

MRM Forum 企画委員会

概要

「材料」という学問分野は、高校までの教育科目には登場しませんが、たいへん重要な分野で、日本はこれまで世界のトップクラスの成果を挙げ、日本の製造業を支えてきました。この分野の学問自体は、世界的にはますます発展して非常にエキサイティングになっています。しかしながら近年、他の分野と同様に、国際的な競争の中、日本の存在感が薄れつつあります。
一方、我が国の材料科学・技術を先導する国立の研究機関では、物質・材料科学の魅力を伝えるために、YouTubeなどでダイレクトにマテリアル動画を配信することにより、非常に多くの若い世代の関心を集めています。これらの動画の多くは、第一線で活躍する材料研究者のアイデアや撮影協力に加えて、若い世代に伝えるための特別の工夫がなされています。
本セミナーでは、材料研究の明るい未来をどのように実現するのか、次世代を担う若い研究者にどのようにバトンを繋いでいくのか、といった課題について、大学へ進学する前に材料科学という世界への関心を高めるために、研究者や学会に何ができるかについて討論します。分野横断的な最先端材料科学・工学の研究分野と初等中等教育において理科教育に関わる教育分野を繋いで、それぞれの分野の専門家により、分野の垣根を越えた学際的な討論を行ないます。

スケジュール

第1部

日本のものつくりの現状と将来への展望、材料科学の論文分析でみる世界の研究活動の変化と日本の国際的な発信力の現状について、調査データをもとに解説いただきます。また、科学の楽しさをたくさんの人にわかりやすく伝えてきた歴史とICTの普及が急速に拡大してゆく変革期における課題などについてお話を伺います。さらに、材料科学をいかに興味深く若い世代に伝えるかについてその現状と課題を示します。

18:00~18:10 開催趣旨説明・講師の紹介
司会:鈴木 淳史(横浜国立大学大学院)
18:10~18:40 「データからみえる日本の材料研究の現状と課題」
伊神 正貫(文部科学省科学技術・学術政策研究所)
18:40~19:15 「科学の楽しさを伝えるのは誰か?―その歴史と課題」
滝川 洋二(教育学博士、東京大学非常勤講師、NPO法人ガリレオ工房理事長、NPO法人理科カリキュラムを考える会理事長)
19:15~19:50 「登録者16万人超!ーNIMSマテリアル動画はなぜ若者を惹きつけるのか?」
小林 隆司(物質・材料研究機構)

NIMSが2013年にYouTube上で始めた材料科学分野を紹介する動画が、多くの若者に支持されている。春になると、このチャンネルによって材料系大学への進学を決意したという報告が相次ぎ、イベントの集客は4年で9倍増を達成。科学への興味喚起が難しいと言われる中、なぜ若者を惹きつけるのか。「気持ちの流れ」と「切り口」を重視するNIMS動画に、若者への訴求のヒントを探る。

19:50~20:00 まとめ

第2部

大学へ進学する前の生徒に材料科学という専門分野があることを認識してもらうことを目的に、研究者(大学・研究所・企業)や学会がどのような行動を起こすことが期待されるかについて、教育現場の「生の声」を聞かせていただきます。研究者や学会の今後の取り組みを考えるヒントとするために、パネリストによるメッセージと視聴者参加型の討論を行います。

12月9日(水)
18:00~18:10 開催趣旨説明・パネリスト紹介
司会:片柳 雄大(群馬大学共同教育学部)
18:10~19:00 パネリストからのメッセージ
小川慎⼆郎(早稲田大学高等学院)
小林隆司(物質・材料研究機構)
長谷川大和(東京工業大学附属科学技術高等学校)
渡部智博(立教新座中学校・高等学校)
19:00~19:50 パネルディスカッション
視聴者からのご質問やご意見をベースに、分野や世代を超えた討論を行います。
19:50~20:00 まとめ