MRM Forum 2020

基調講演・合同セッション
12月7日(月) 15:00~19:00Plenary Session

昨年ノーベル化学賞を受賞された吉野 彰 旭化成株式会社名誉フェローをはじめ、第一線でご活躍されてこられた先生方に、各分野の研究の話題や貴重なご経験、次世代を担う研究者へのメッセージなど魅力的な4つの基調講演からなる合同セッションを開催いたします。

司会: 福山 秀敏 東京理科大学

基調講演 112月7日(月) 15:10~16:00

「状態図(相図)と実学」

石田 清仁
東北大学名誉教授

プロフィール

[ 職歴 ]

昭和49年4月
大同製鋼株式会社(現大同特殊鋼株式会社)入社
昭和57年3月
大同特殊鋼株式会社 退社
昭和57年4月
東北大学 工学部助教授
平成2年2月
英国, サレー大学客員教授
平成5年4月
東北大学 工学部教授
平成9年4月
東北大学 大学院工学研究科教授
平成10年4月
東北大学 未来科学技術共同研究センター教授
平成17年4月
東北大学 大学院工学研究科教授
平成22年3月
東北大学 定年退職
平成22年4月
東北大学 名誉教授

[ 受賞 ]

平成14年3月
社団法人日本金属学会 谷川・ハリス賞
平成15年3月
社団法人日本鉄鋼協会 学術功績賞
平成17年7月
社団法人発明協会 21世紀発明奨励賞
平成17年5月
APDIC Best Paper Award
平成18年4月
文部科学省 科学技術賞(研究部門)
平成18年9月
社団法人日本金属学会 功労賞(学術部門)
平成20年5月
社団法人日本材料学会 技術賞
平成25年3月
社団法人日本金属学会 学会賞
平成25年3月
社団法人日本鉄鋼協会 西山賞
平成26年8月
内閣府 産学官連携功労者 日本学術会議会長賞
平成27年1月
公益財団法人河北文化事業団 河北文化賞
平成28年10月
工業標準化事業 経済産業大臣功績賞
平成29年5月
公益財団法人本多記念会 本多記念賞

[ 学会活動 ]

社団法人日本金属学会会長(平成19年度)
独立行政法人日本学術振興会 合金状態図第172委員会委員長(平成13年度~平成22年度)
社団法人日本鉄鋼協会理事(平成15年度~平成17年度)
社団法人日本鉄鋼連盟 鋼材規格三者委員会委員長(平成22年度~平成28年度)
APDIC(合金状態図国際委員会)副議長  等を歴任

[ 専門分野 ]

材料組織学, 相変態論, 金属材料学, 材料設計

基調講演 212月7日(月) 16:00~16:50

「リチウムイオン電池が拓く未来社会」

吉野 彰
旭化成株式会社 名誉フェロー
国立研究開発法人産業技術総合研究所 ゼロエミッション国際共同研究センター センター長
技術研究組合 リチウムイオン電池材料評価研究センター 理事長

プロフィール

吉野彰博士は、現在、旭化成株式会社名誉フェロー、産業技術総合研究所ゼロエミッション国際共同研究センター長、リチウムイオン電池材料評価研究センター理事長などの職についています。
1981年に二次電池の研究を開始し、1983年に炭素を負極、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を正極とする二次電池の発明に成功しました。その後負極を特定の結晶構造を持つ炭素材料に変更し、1985年に現在のリチウムイオン二次電池の基本構成を完成し、特許を出願しました。

その後、LIBの実用化のため、電極化技術、安全素子技術、保護回路技術、充放電技術などの種々の周辺技術開発が吉野博士により行われました。
主なものとして
①アルミ箔を正極集電体とすることにより高い起電力と低コスト化の実現、
②両面塗布法による薄膜電極化技術の開発により大電流放電の実現、
③多層の薄膜電極とセパレータ膜をコイル状に捲回して電池缶に組み込む電池化技術による大容量化の実現、
④ポリエチレン系微多孔膜をセパレータとPTC(positive temperature coefficient) 素子による電池の安全性向上
を挙げることができます。

吉野博士は、多くの国内外の賞を受賞しています。代表的なものとしては
2012年に米国電気電子学会「IEEE MEDAL FOR ENVIRONMENTAL AND SAFETY TECHNOLOGIES」
2013年にロシア政府「The Global Energy Prize」
2019年に欧州特許庁「欧州発明家賞」及び日本政府「文化勲章」「文化功労者」
そしてスウェーデン王立科学アカデミー「ノーベル化学賞」を挙げることができます。
吉野博士は、京都大学より学士号、修士号、大阪大学より工学博士が授与されています。

基調講演 312月7日(月) 16:50~17:40

「局所プローブ顕微鏡で観る固体表面の機能」

川合 眞紀
分子科学研究所 所長

プロフィール

[ 学歴 ]

1970年3月
東京学芸大学附属高等学校卒業
1971年4月
東京大学教養学部理科Ⅱ類入学
1975年3月
東京大学理学部化学科 卒業
1977年3月
東京大学大学院理学系研究科修士課程 修了
1980年3月
東京大学大学院理学系研究科博士課程 単位取得退学
1980年6月
理学博士(東京大学)

[ 職歴 ]

1980年4月
理化学研究所特別研究生(固体化学研究室)
1982年4月
日本学術振興会 奨励研究員(東京大学理学部田丸研究室)
1983年4月
大阪工業試験所 非常勤臨時職員
1983年12月
(株)大阪ガス総合研究所にて委託研究
1985年5月
理化学研究所 研究員(触媒研究室)
1988年5月
東京工業大学工業材料研究所 客員教授
(TDK寄付研究部門担当、この間理化学研究所より出向)
1991年4月
理化学研究所 主任研究員(表面化学研究室)
(2010年3月末まで)
2004年3月
東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 教授
(2017年3月末まで)
2010年4月
独立行政法人理化学研究所 理事(2015年3月末まで)
2016年4月
自然科学研究機構 分子科学研究所長

[ 受賞 ]

1996年
猿橋賞
2005年
日本表面科学会学会賞
2008年
文部科学大臣表彰
2008年
日本化学会賞
2010年
American Physical Society (APS) Fellow
2012年
向井賞
2015年
The IUPAC 2015 Distinguished Women in Chemistry or Chemical Engineering
2015年
The Gerhard Ertl Lecture Award 2015
2016年
AVS Medard W. Welch Award 2016
2016年
Humboldt Research Award
2017年
紫綬褒章
2018年
Diels-Planck-Lecture award from Kiel University Germany
2018年
Honorary Fellow, Royal Society of Chemistry
2019年
L’Oreal-UNESCO Women in Science Award 2019
2020年
日本学士院賞

[ 所属学会 ]
日本化学会(2018,2019年度会長),日本物理学会,応用物理学会,日本表面真空学会,触媒学会,女性科学者に明るい未来をの会(評議員),米国化学会,米国物理学会(Fellow),米国真空学会

基調講演 412月7日(月) 17:40~18:30

「エレクトライド:物質、物性と応用」

細野 秀雄
東京工業大学栄誉教授 同特命教授(元素戦略研究センター長)

プロフィール

東京都立大学大学院博士課程修了後、名古屋工業大学、分子科学研究所、東京工業大学助教授などを経て、1999年 東京工業大学教授。2019年4月から同学栄誉教授、特命教授(元素戦略研究センター長)。2020年4月から物質・材料研究機構 特別フェローを兼任。 日本国際賞、恩賜賞・学士院賞、Von Hippel Prizeなどを受賞。専門は無機材料科学。
鉄系超伝導体、酸化物半導体(IGZOなど)、電子化物など新規物質・材料の創出と応用に従事。目下の関心はアンモニア合成触媒。